『仮面山荘殺人事件』東野圭吾
強盗事件の逃亡犯が押し入った山荘で起こる、密室殺人を描いた作品。東野圭吾らしい緻密な伏線と、先が読めない展開が特徴です。舞台となる山荘の設定が、物語に不気味な雰囲気と緊張感を加えている。
この物語の魅力は、「二重の謎」にある。
1つ目は、閉ざされた環境での犯人捜し。
2つ目は、事件の裏に隠された秘密。
読み進めるにつれ、それぞれが巧妙に絡み合い、真相が明らかになる瞬間は驚きと納得の連続!最後まで気が抜けない展開に引き込まれること間違いなし。自分は最後少し泣きそうになった。
『風が強く吹いている』三浦しをん
「箱根駅伝」に挑む大学生たちの姿を描いた物語。スポーツ小説でありながら、青春の葛藤や成長、仲間との絆が美しく描かれており、ミステリーではないもののその熱さにぐいぐい引き込まれる作品になっている。
舞台は、陸上経験者の主人公・ハイジが、素人同然の仲間たちをまとめて駅伝出場を目指す寮生活。「どう考えても無理じゃない?」という状況の中、彼らが走り出す姿に胸が熱くなる。
この作品の魅力は、個性豊かなキャラクターたちと、彼らが抱える悩みや過去の描写。
・挫折した元エースランナー
・全く陸上に興味がない小説家志望の学生
・留学生ランナーの孤独
彼ら一人ひとりの物語が交錯し、最終的には一つのチームとしてまとまっていく過程にとても心動かされた。
特に、ラストのレースシーンは息を呑む迫力と感動で、ずっと泣きっぱなしで全然読み進められなかった記憶がある。